公式メディア連載企画
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2021.11.17 / 松本機械工業
チャック爪交換の自動化を展示の中心に
来年6月30日~7月2日にかけて愛知県常滑市の展示会場「アイチ・スカイ・エキスポ」で開催される「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2022」への意気込みを聞くこの企画。今回は、工作機械の周辺機器メーカーの松本機械工業(金沢市)の松本要社長に出展のきっかけなどを聞いた。「RTJ2022で積極的に製品情報を発信したいし、同時に顧客が抱える課題や問題もリサーチしたい」と語る。
情報発信と課題のリサーチ
松本機械工業はチャックや円テーブルなどの工作機械の周辺機器を製造、販売する。チャックとは複数の爪で被加工物(ワーク)を固定する機器で、同社は数年ほど前からチャックの爪交換の自動化ソリューションの提案に注力している。
10月20日~23日にわたって名古屋市内で開催された工作機械展「メカトロテックジャパン(MECT)2021」では、チャックの爪交換やワークの脱着を自動化できるロボットシステムのパッケージ製品「Smart Terrace(スマートテラス)AIO」を初披露した。
松本社長は「ロボットを使っていかに生産性を高めるかが今後の製造業の大きな課題になるだろう。わが社はチャックとロボットを使って変種変量生産の自動化を提案し、顧客の課題解決に貢献したい」と語る。
こうした提案をより広く発信するため、RTJ2022への参加を決めた。
出展製品はこれから本格的に検討するが、展示の中心には爪交換の自動化ソリューションを据える考えだ。
「良い製品でも、その魅力が顧客にちゃんと伝わらないと意味がない。だからこそ、RTJ2022では積極的に製品情報を発信したいし、同時に顧客が抱える課題や問題もリサーチしたい」と松本社長は説明する。
変種変量生産の自動化狙う
同社は①ロボットを使って爪を一つずつ交換するクイック・ジョー・チェンジ(QJC)チャック「ROBO(ロボ)-QJC」②一度に全ての爪を交換できるオート・ジョー・チェンジ(AJC)チャック――の2製品を中心に、爪交換の自動化を提案する。
スマートテラスAIOもロボ-QJCかAJCチャックをベースとしており、チャックやロボット、マルチストッカーなどで構成されている。
非常に省スペースなのが特徴で、最大可搬質量35kgのロボットを使用したAIO35でも設置面積はわずか4.1㎡しかない。また、立ち上げも簡単で、据え付けは最短1日、ティーチング(ロボットに動作を覚えさせること)と操作説明で1日と、トータル2日間で済むという。
スマートテラスAIOやロボ-QJC、AJCチャックで狙うのは、変種変量生産の自動化ニーズだ。
製造現場では従来、加工するワークの種類が変わるたびにチャックの爪も手作業で交換していた。変種変量生産が主流になれば爪交換の頻度も増え、段取り替え(セッティングの変更)により多くの手間がかかり、結果的に製造コストも上昇してしまう。
同社は生産効率の向上と製造コストの低減、そして24時間の連続稼働を狙い、爪交換の自動化ソリューションの提案に力を入れているのだ。
そもそも、爪交換の自動化に取り組み始めたのは1982年。松本社長は「変種変量生産が主流になる時代をかなり前から予想しており、爪交換を自動化する製品群を早くからそろえてきた。変種変量生産の自動化ニーズは今後も拡大すると考えられるので、RTJ2022ではわが社のソリューションをより強く発信したい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部)