出展への期待と狙い

公式メディア連載企画

WEBマガジン「ロボットダイジェスト」とコラボし出展の見所や業界の期待をご紹介します!

ロボットダイジェスト×ロボットテクノロジージャパン

Vol.

1

ROBOT TECHNOLOGY JAPANに込める思いとは

RTJ事務局長インタビュー

会場となるAichi Sky Expo

2020年7月、愛知で新たなロボット展示会が誕生する――。工場や物流拠点で使う産業用ロボットやその他自動化システムに特化した専門展「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2020」が、ニュースダイジェスト社(名古屋市千種区、樋口八郎社長)の主催で開かれる。この9月から出展者の募集が始まった。平野清嗣RTJ事務局長は「製造業が集積する中部地方で専門展を開催することにより、産業用ロボットの普及を後押ししたい」と意気込む。

(聞き手:ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)

産業の集積地、中部で

RTJのポスターと平野清嗣事務局長

―まず展示会の概要を教えてください。

2020年7月2日~4日の3日間、愛知県常滑市の愛知県国際展示場、通称「Aichi Sky Expo(アイチ・スカイ・エキスポ)」で開催します。愛知県機械工具商業協同組合(愛機工、理事長・水谷隆彦ミズタニ機販社長)が共催です。会場は今年8月、中部国際空港があるセントレア島にできたばかり。中部国際空港から徒歩5分の立地で、名古屋駅から最速30分程度で到着します。また3400台分の駐車場があり、電車でも自動車でもアクセスしやすいと考えています

RTJと同じく愛知県で開かれた「メカトロテックジャパン(MECT)2017」での展示

―展示会に込めた思いや狙いは何ですか。

日本は少子高齢化が進んでいます。今でも叫ばれている人手不足が、将来はより深刻になる。そこで産業用ロボット導入の機運が高まっています。特に中部地方は製造業が集積しています。生産性の向上や品質の安定を目的に、産業用ロボットに興味を持つ方は多いでしょう。ただ一方、これまで中部地方で大規模なロボットの展示会がなく、東京や大阪まで足を運ぶ必要がありました。

展示場内の様子

―それが愛知で開催する理由ですね。

はい。製造業が集積する愛知での開催ということで、東京などで開かれる展示会と同様の内容にするつもりはありません。人手不足が進む中で、中部地方を中心とした来場者の方々と、未来の製造現場の姿を一緒に考えられたら幸いです。そこで出展対象を製造現場や物流拠点で使う産業用ロボットや自動化システムに特化しました。製造現場で働く方々が、作業着のまま来られる展示会にしたいです。

―作業着のまま。その思いは。

現場で働く方々に来場してもらい、出展者と意見交換をしてほしい。出展者側から見たら、きっと東京や大阪の展示会とは異なる、現場に近いニーズを発掘できるでしょう。中部地方には製造業が多い。生産拠点があるから設備の担当者もいる。スムーズな商談が期待できます。

産業用ロボットに特化

産業用ロボットが多数展示される(写真はMECT2017)

―具体的な出展製品はどういったものでしょう。

産業用ロボット本体や、それを使ったシステムを対象にします。ロボットハンドなどのエンドエフェクターや、センサー、ロボット関連のソフトウエアも当然、出展対象です。無人搬送車(AGV)や物流業界向けの自動化システムの提案も多いでしょう。モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)技術を使った提案や、減速機やサーボモーターといったロボットの要素部品の出展も見込んでいます。一方、例えば企業の受付に置くようなヒト型ロボットや介護、警備向けのサービスロボット、ドローンは展示会の対象外にしました。

―出展者はロボットメーカーだけではない。

当然、ロボットやロボットの周辺機器メーカーが多くはなります。ただそれだけでなく、自動化のパッケージシステムを持つ産業機械メーカー、特に工作機械や工作機器、測定機器メーカーから多くお問い合わせをいただいています。今年1月にRTJの開催を発表して以降、各方面から想定以上の反響や出展の意向を伺っています。RTJで新製品を発表したいと、開発スケジュールを早めた企業もあるそうです。

SIerゾーンを用意

―その他に、この展示会の特徴はありますか。

ロボットシステムを構築するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の存在が、産業用ロボットの普及には欠かせません。ロボットは購入して、設置しただけでは動作しません。システムとして設計し、エンドエフェクタ―やセンサーを付け、ロボットに動きを教示(ティーチング)し、機械や周辺装置と同期させて一体のシステムとすることで、初めて実力を発揮します。そのシステム構築を担うのがSIerです。ロボット業界では「縁の下の力持ち」と言われることも多いですが、SIerにも注目が集まる展示会にできればと考えています。

ロボットシステムの実演も(写真はMECT2017)

―具体的には。

SIerに特化した「SIerゾーン」を設けます。一言でSIerといっても、企業ごとに得意分野は異なります。実際のロボットシステムの展示などを通し、各社の強みをアピールしていただきたい。SIerと来場者が出会う場になればと思います。

―確かに従来の展示会では、SIerの出展は多くなかったですね。

われわれはSIerが出展しやすいよう、さまざまな小間設定を用意しています。SIerは、従業員数でいうと数人や数十人の中小企業が多く、事業規模もそれほど大きくない。そこでSIerゾーンの出展費用を一般ゾーンよりも低く設定しました。一般ゾーンでは1小間34万円ですが、SIerゾーンは25万円です。こちらを「SIerゾーンA」としています。また、展示会への出展に慣れていない企業もある。そこで「試しにちょっと出てみたい」というSIer向けに「SIerゾーンB」も用意しました。こちらは15万円です。一般ゾーンやゾーンAに比べ展示スペースは小さいですが、パネルや展示用の机など最低限の展示設備が付帯しており、低料金での出展が可能です。

MECTは奇数年に開催する

―どれくらいの来場者数を見込んでいますか。

3日間で計3万人を見込んでいます。出展対象を産業用ロボット、産業用の自動化システムのみに絞っているため、来場するのは自動化や省人化に関心の高い方々ばかりです。わが社は2年に1度、名古屋市で奇数年としては日本最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)」を主催しており、近年は9万人超の方にご来場いただいています。この方々にPRする他、もちろん各メディアでの広告展開などでも来場を促します。また、共催の愛機工の存在も大きいです。愛機工には中部地方に根差した製造業関連の専門商社が250社以上も加盟しており、MECTでは多くの顧客にアピールしていただいています。MECTと同じくRTJも愛機工が共催で、大変心強いパートナーです。

MECT2017は9万人超の来場者を集めた

―やはり来場者は中部の方々が中心ですか。

わが社は出版社として設備財の専門誌「月刊生産財マーケティング」を発行し、産業用ロボットに特化したウェブマガジン「robot digest(ロボットダイジェスト)」を運営しています。この2つはRTJのオフィシャルメディアで、全国に向けて情報を発信するものです。両メディアではさまざまな企画でRTJを盛り上げていきますので、中部圏が中心ではありますが、他地域から来場される方もいると思います。メディアとして取材をすると、人手不足でお困りの企業が、本当に多い。最近では、技能継承がうまくいかず生産品質の低下を懸念する企業も増えています。ロボットはそうした課題の解決策になり得ます。2年に1度ではありますが、産業用ロボットや自動化システムが一堂に会す場を作ることで、現場の課題解決の一助になればと思います。RTJが産業用ロボットや自動化システム普及の後押しになれば、主催者としてこれ以上幸せなことはありません。繰り返しになりますが、近い将来、ロボットは必須になる。まずは導入の一歩を踏み出すきっかけを、RTJで見つけていただければと思います。

公式メディア紹介

ニュースダイジェスト社が、産業用ロボットに特化した「生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン」を2018年11月に創刊。新製品や新サービス、導入事例、先進企業の取り組み、統計データ、助成制度など、あらゆる情報を発信する。
「robot digest」ウェブサイトはこちらをご覧ください。

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