各社のイチオシ

公式メディア連載企画

WEBマガジン「ロボットダイジェスト」とコラボし各社のイチオシをご紹介します!

ロボットダイジェスト×ロボットテクノロジージャパン

Vol.

1

自動車産業やSIerの来場に期待、“使いやすさ”で訴求

FUJI/IAI

「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2020」に出展するFUJIとアイエイアイ(IAI、静岡市清水区、石田徹社長)は、使いやすさ、操作のしやすさを会場で訴求する。FUJIのロボットは導入時のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の負担が少なく、IAIが新発売した電動アクチュエーターは作業者が現場で簡単に設定を変更できる。

(ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)

立ち上げまでの負担軽く FUJI

スマートウィングの前に立つFUJIの藤田政利技術部長

専門知識が要らない簡単設定

電子部品を基板に装着する実装機の製造で高いシェアを持つFUJIは、5軸の多関節ロボット「SmartWing(スマートウィング)」を披露する。最大可搬質量は2kgで、小物部品の搬送や仕分けに力を発揮する。 「操作設定のしやすさ、導入のしやすさが最大の特徴」と藤田政利技術部長。「自動化システムを立ち上げるSIerへの負担を減らすことができる」と強調する。

一般的なロボットはティーチングペンダントで細かな動きまで覚えさせる。しかしその場合、扱う製品や作業の変更ごとに専門的な知識が必要だ。一方、スマートウィングは、アームの可動領域内の座標値を設定し、基本的な作業内容を選択するだけで、動きを変更できる。

また、ロボット単体ではなく、標準的な周辺機器をセットにした「ロボセル」を用意するなど、導入してすぐに使えるようにした。最近ではオプションで、複数のコネクターをトレイに整列するのに適切な「トレイ移載ロボセル」や基盤などのハンダ付けができるヘッドを取り付けたタイプもある。会場では、SIerと協力して自動車産業向けに製作したハンダ付けのできる「ロボセル」を紹介する。

FUJIのe-Sysの概要図

サブスクで購入からシミュソフトまで

ロボット開発の他に、新たに力を入れるのが、製品選定とシミュレーションを1つのシステム内でできるようにした「e-Sys(イーシス)」だ。仮想空間上で構築する「デジタルツイン」とロボットや機器を選定できる「マーケット」の2つを合わせたプラットフォームで、SIerがより簡単に自動化システムを立ち上げられる環境を用意する。

イーシスを使えば、シミュレーションソフトウエアを購入することなく3Dモデルを作成、ロボットと周辺機器の連動した動きを確認できる。現在は、システムに製品を掲載する協力企業を増やすことに注力し、4月から試験的にスタート。定額制(サブスクリプション)でサービスを提供する予定だ。RTJでも、イーシスで構築したロボットシステムを展示し、シミュレーションと装置が同じ動きをする姿を見せる。 RTJにはSIer専用の出展ゾーンがあり、その他にも多くのSIerの来場が見込まれる。それだけに、SIerを意識した提案は注目を集めそうだ。

すぐに誰でも簡単に直動制御 IAI

「とにかくエレシリンダー、その中でもデジタルスピコン」と力説するIAIの楢原基広課長

エアでなく電動を使う利点

電動アクチュエーター(単軸ロボット)を製造するIAIは、今年1月に発売した「デジタルスピコン付きエレシリンダー」をRTJで披露する。 電動アクチュエーターのエレシリンダーは、始点と終点の2点の位置を設定できる。直動部分に多く使われるエアシリンダーと比べ、パッキンの劣化によるエア漏れなどの故障がない。特にロッドレス型では同社調べで、走行寿命を100万回から500万回と5倍に延ばせる。さらにエアは供給空気圧の変動やシリンダーの劣化で調整が必要だが、電動は数値設定のため調整がいらない。

さらにこれまで外付けだったコントローラーとティーチングペンダントを内蔵したデジタルスピコン(スピードコントローラー)付きエレシリンダーは、作業者が変更したい時にその場で数値を入力できる。「電動アクチュエーターを知っている人は多いが、本当に利点を理解している人はまだ少ない」と楢原基広課長は説明する。展示会場では、来場者がエア機器との違いが一目で分かるような、分かりやすいデモンストレーションを用意する。

エレシリンダーに取り付けられたデジタルスピコン

滑らかさで物流と自動車業界にアピール

エレシリンダーは電気的な制御のため、移動の距離だけでなく、速度や加減速の調整も可能。急発進と急停止を抑制し、滑らかな動きを実現する。工作機械の扉の開閉や物流のコンベヤー搬送で荷物を持ち上げたり、押し出したりする部分に最適だ。

RTJでは、物流関連に向けた提案の他、中部での開催ということもあり、自動車産業に向けた展示も多く用意する予定だ。「RTJは今年初めて開催される展示会。しかも産業用ロボットに特化し、ものづくりが最も盛んな愛知で開催されることから大きく注目されるだろう」と楢原課長は期待を示す。 今年4月からは全国の代理店にエレシリンダーのサンプルを提供。展示会への出展と併せてPRを強化する。

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