今年7月、産業用ロボットや自動化システムの専門展示会「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2024」が開催される。RTJ2024では主催者枠として会期初日に2つの基調講演と、3日目に2つのセミナーを企画。もちろん2日目にも注目度の高いイベントが予定されている。熱のこもったセミナーを聴講すると、「自分も何かやってみよう」という意欲が湧くもの。そして「鉄は熱いうちに打て」だ。ぜひ、これというアプリケーションを会場で見いだし、自動化への第一歩を踏み出してほしい。
未来の現場像を描くセミナー
BtoB(企業向け)の展示会では、その業界のフロントランナーが登壇するセミナーが開かれることが多く、来場者の期待を集めるイベントの一つだ。RTJ2024でも、自動化や省人化、生産性向上などに役立つセミナーを開催する。
会期初日の7月4日は、安川電機の岡久学ロボット事業部長と、Mujinの滝野一征最高経営責任者(CEO)がそれぞれ登壇する基調講演を開催する。「ロボットが現場を変える」との共通のテーマのもと、未来の現場の在り方が語られるだろう。
ロボットメーカー大手の一角を占める安川電機でロボット事業部をけん引するのが岡久事業部長だ。昨年の「2023 国際ロボット展(iREX2023)」で「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)」を発表し、自動化の領域拡大を図る同社がどんな未来を描くのか、興味深い。
自動化機器メーカーとシステムインテグレーター(Sier、エスアイアー)の両方の側面を併せ持つMujin。個々の自動化設備ではなく、物流や製造の工程全体を最適化する「全体最適」の考え方はトレンドの一つだが、イメージが固まらない人も少なくない。ソフトウエア開発は同社の強みの一つであり、設備のポテンシャルを引き出す手法に興味を抱く人は多いだろう。
ロボットをどう使う?
会期3日目の7月6日は、「ロボットでこんなことも! 最新活用法」と題した2つのセミナーを開催する。紹介するのは、航空機メーカーの米国ボーイングと、エンジニア育成に取り組む次世代ロボットエンジニア支援機構の活用事例だ。
航空機の製造工程では、非常に狭いスペースでの作業を強いられる場面がある。狭いスペースでどう自動化するかとの課題は、国内の多くの現場が抱えるものでもあり、世界最大の航空機メーカーであるボーイングの取り組みは貴重な事例になる。
RTJ2024にはロボットなどの自動化設備や自動化のヒントを探す人が多く来場するが、その中には、初めてロボット導入を検討する人や、エンジニアではない人も少なからずいる。次世代ロボットエンジニア支援機構(通称スクランブル)は、非エンジニアや子どもでも参加できるロボット競技を企画、運営している。「まず使ってみる」というスタンスでロボットに向き合ってはどうだろうか。それが楽しいものであればなお良い。使っているうちに、いつの間にかロボットエンジニアの仲間入りをしていた、ということもあるかもしれない。
(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)