読んで発見「RTJ2026」

Special feature:Discover RTJ!

Vol.2

2026.04.30

物流向け提案の最前線

自動化の展示会「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2026」が6月11日~13日まで開催される。公式メディアであるWEBマガジン「robot digest(ロボットダイジェスト)」の記者がRTJの見どころをお伝えする連載企画の第2回は、工場や倉庫でモノを効率的に動かすシステム「マテリアルハンドリング(マテハン)」にフォーカスを当てる。製造現場の人手不足に加え、「2024年問題」を背景に物流業界でも注目を浴びる分野だけに、RTJ2026の会場内でも特色ある最新提案に触れられるだろう。

ロボットテクノロジージャパン開催風景のイメージ

2024年問題を背景に

RTJ2024の会場でマテハン機器のデモを見入る来場者のイメージ
RTJ2024の会場では各社がマテハン機器を出展してデモを実施。来場者はその様子に見入った

連載の第1回では、RTJの特色として工作機械とロボットを連携した製造現場向けの自動化提案の豊富さをお伝えした。

もちろん、RTJの見どころはそれだけではない。多様なマテハン機器が一堂に集まるのもRTJならではの特徴だ。

マテハンとは材料や部品、製品といったあらゆる「モノ」の搬送、保管、仕分け・ピッキング、梱包作業などを自動化するシステムを指す。代表的なマテハン機器としては無人搬送車(AGV)や自律走行型搬送ロボット(AMR)、無人搬送フォークリフト(AGF)、コンベヤー、自動倉庫、ソーターが挙げられる。

マテハンシステム自体は取り立てて新しい技術ではないものの、ドライバーの残業時間の上限規制が強化された「2024年問題」を背景に、荷待ち時間の短縮に貢献する製品として再び注目が高まる。

実際、ロボットダイジェストの記者として取材する中でも、物流倉庫や製造現場の工程間搬送向けの自動化機器を開発する企業が増えていると感じる。

加えて、広大な工場や物流倉庫で複数のマテハン機器を使う場合、「倉庫管理システム(WMS)」や「倉庫管理運用システム(WES)」、「倉庫制御システム(WCS)」など、マテハン機器の運用を効率化するシステムも欠かせない。

RTJ2026の会場では、マテハン機器とこれらのシステムを組み合わせた提案も見られるだろう。

第2回は、今回展に出展される予定のマテハン機器や関連ソリューションの情報を一足お先に紹介する。

搬送ロボットはより多彩に

搬送を自動化しているイメージ
RTJ2024では製造現場や物流倉庫内の搬送を自動化する提案が多々見られた

マテハンシステムの中でも特に注目を浴びるのが、工場や倉庫内の保管、入出庫作業を効率化する「自動倉庫」だ。

システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)でAMRメーカーでもあるPhoxter(フォクスター)は、搬送ロボットシステムの構築を得意とする。今回は日本の製造現場や物流倉庫に適した設計のAMR「StellaDrive(ステラドライブ)」を出展。レーザーを照射して周囲を認識する「LiDAR(ライダー)」を搭載し、全方位の障害物を検知できる。人や他の設備との接触を未然に防ぎ、安全性と生産性の高い自律走行が強みだ。

他の物流向け展示会では小型の自動倉庫と連携したロボット自動倉庫システムを訴求しており、RTJの会場ではどのような提案が見られるか注目される。

SIerの明和eテックは自社開発のAMR「me-Rabo(ミラボ)」を出展する。全方向に移動できる車輪「メカナムホイール」を採用し、狭い場所でも方向転換せずに縦や横、斜めに動ける。RTJ2026ではミラボの最新モデルを公開予定だ。

また、倉庫制御システム「WCS e-PLUS(プラス)/LIGHT(ライト)」も併せてPRする。物流倉庫内のAGVやAMRなどのマテハン機器を遠隔で監視し、最適な入出庫スケジュールを実行する。導入事例では150台のAMRを同時制御した実績もあるという。

鋼材・機械商社の岡谷鋼機はAGVやAGFを駆使して工場物流の自動化を表現する。マテハン機器に加え、グループ企業が手掛けるWMSやWCSと併せて一気通貫で自動化システムを構築できるのが強みだ。

今回展ではここにヒト型ロボット「ヒューマノイド」が加わる。中国のロボットメーカー、AGIBOT(アジボット)は工場や物流現場向けに設計された産業用ヒューマノイドで、下半身部分がAMRのように車輪で動くため安定性が高い。ヒューマノイドは最近の注目技術だけに、物流の自動化にどう貢献するのか、来場者の関心を集めそうだ。

一時保管も梱包も自動化

スターテクノが展示した段ボール箱の自動組み立てシステムのイメージ
スターテクノが前回展の会場で展示した段ボール箱の自動組み立てシステム

テクノ21グループは小物から大物までの部品を一時保管する自動倉庫シリーズ「自動ラックS/M/L」を提案する。ラック内で搬送装置が稼働し、部品が入ったパレットや箱を自動でピッキングする。いずれも保管している部品数をリアルタイムで管理し、CSVデータで出力できる。

AMRでラックごと搬送できる「配膳ラック」やロボットアーム「Type(タイプ)10」、コンベヤーなどを柔軟に組み合わせられるため、さまざまな製造現場のニーズに合わせた自動倉庫システムを構築可能だ。

出荷前の最終工程である荷積み(パレタイズ)や梱包の自動化を提案する企業も目立つ。

スターテクノは昨年発売した「段ボール箱自動組立ロボットシステム」を展示する。垂直多関節ロボットが段ボール箱を自動で組み立て、箱の底面にテープを貼り、コンベヤーに載せて次工程に搬送する。

この他にも自社やグループ企業のさまざまな技術を組み合わせ、段ボールの組み立てから部品の組み付け、箱詰め、段ボールの封を閉じる封緘(かん)、パレタイズまでを一貫して自動化ラインとして紹介する。

また、安全柵が必要な従来型の産業用ロボットだけでなく、人と同じ空間で作業できる協働ロボットをマテハンシステムとして訴求する企業もある。

輸入商社の進和は、中国の上海市に本社を置くJAKA(ジャカ)ロボティクスが製造する可搬質量35kgの協働ロボット「JAKA Zu35」を初公開する予定だ。繰り返し精度は±0.05mmで防水・防じん保護(IP)等級の「IP65」に相当する。重量物の搬送や加工、パレタイズ、精密な溶接など幅広い用途で力を発揮する。

この他、RTJ2026の主催セミナーにはマテハンシステム大手のダイフクが登場する。自動倉庫や産業用ロボット、各種搬送ロボットを連携した「完全自動化ソリューション」の提供を目指す同社に、その現在地や課題を聞ける貴重なチャンスとなる。

マテハン機器は市場のさまざまなニーズを受けて着実に進化を遂げている。RTJ2026の会場には搬送から出荷まで一連の工程をカバーする自動化提案がそろうため、ぜひ会場で最新のマテハンシステムを体感してほしい。

(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)

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ニュースダイジェスト社が、産業用ロボットに特化した「生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン」を2018年11月に創刊。新製品や新サービス、導入事例、先進企業の取り組み、統計データ、助成制度など、あらゆる情報を発信する。

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