公式メディア連載企画
WEBマガジン「ロボットダイジェスト」とコラボし出展の見所や業界の期待をご紹介します!
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2021.12.23 / ニッタ
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新製品PRや顧客、市場開拓にぴったり
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産業用ロボット・自動化システムの専門展示会「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2022」に出展を決めた企業に、出展の狙いや意気込みを聞く本企画。今回紹介するのは、ツールチェンジャーやロボットハンドを開発、製造するニッタだ。同社は新たな顧客や市場を開拓するため新製品の開発に力を入れており、具体的なニーズや需要を探る場を求めていた。RTJ2022では既存顧客である自動車関連メーカーへのPRと、新製品の情報発信を両立できると見込み、出展を決めた。
一石二鳥のPRを狙う
ニッタは、自動車や産業機械向けの樹脂ホースやチューブ、伝送ベルトなどを製造するメーカーで、自動車工場など製造現場向けに産業用ロボットのツールチェンジャーも手掛ける。RTJ2022への出展を決めた1社だ。
RTJ2022にはロボットのツールチェンジャー「NITTAOMEGA(ニッタオメガ)」やロボットハンド「SOFTmatics(ソフマティックス)」の新製品を出展する予定。
例年は既存の顧客層や用途に合わせて別の展示会に出展していた。近年は自動車産業への依存を軽減するため、新しい市場の開拓も狙っている。RTJ2022が開催される愛知県には既存顧客の自動車関連メーカーが多く、名古屋市を中心とする都市圏が広がるため自動車以外の産業も集積しており、既存顧客へのPRと新市場開拓を両立できると見込んだ。
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右:高負荷タイプのツールチェンジャー、ニッタオメガ
産ロボに特化した内容に魅力
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ロボット関連の製品を担当するニッタ・ムアー事業部一般産業営業部の長野浩二部長は「不特定多数の業種、職位、職種の来場者に広く見てもらえるのがリアルの展示会の魅力。どんな市場でどんなニーズがあり、どれぐらいの需要があるのか探りたい」と話す。
新型コロナウイルス禍に見舞われて以来、なかなかリアルの展示会が開催されない状況が続き、ウェブ展示会も多く開催されたが、長野部長は「ある程度来場者が見込めるなら、リアルの展示会に出展したい気持ちが強い。一度に多くの人に現物を見てもらい、メリットを訴求できる場は展示会の他にない」と語る。
ニッタ・ムアー事業部一般産業営業部メカトロ営業課の伊藤晴夫課長は「産業用ロボットに特化したRTJ2022がPRに最適。多くのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)に認知してもらうことで導入につながる可能性もあるため、RTJ2022ではパートナーとなるSIerを見つけたい」と言う。
小型ツールチェンジャーをPR
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RTJ2022に出展する予定のツールチェンジャー「ニッタオメガ」の「type(タイプ)シリーズ」は、従来よりも薄型で軽量。2016年から順次発売してきた。大型や中型機種は自動車向けだが、可搬質量5~10kgの小型機種である「タイプS-C」は、自動車以外の一般産業向けにPRする場を求めていた。
「ニッタオメガ」は、カムロック方式により、強力にアーム先端のツールを保持する構造が特徴。エアが停止してもカムとバネが物理的に支えるため、ツールの脱落を防ぐ。
伊藤課長は「繰り返し精度が10μmと高精度なためマテハンや加工、組み立てなど幅広く対応できるポテンシャルがある」と力を込める。
新たな用途を模索
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また、ロボットハンド「ソフマティックス」は、グリッパー部にウレタンを採用し柔軟物のハンドリングに使いやすい。食品分野などで販売実績が増えている。
安全性の高い負圧エア駆動で、バルブの開閉だけでグリッパーが開閉するシンプルな構造のためトラブルが起きにくい。搬送物の位置や形状が多少ずれていてもつかみやすいのが特徴だ。
さまざまな形状、硬さの搬送物に対応し、22年春にはサイズや爪の数のバリエーションを拡充する予定だ。伊藤課長は「ソフトグリッパーの中ではパイオニアを自負している。今後は食品分野だけでなく、搬送時に傷つけられない精密部品や不定形の袋状の搬送物向けに提案したい」と語る。
(ロボットダイジェスト編集部)